コインランドリーの経営は楽?

コインランドリーブームにより、土地活用や副業としてランドリー経営を始める人が増えています。基本的に店内は無人ですので、「手間なく楽に収入を得られる」と考えられる方も多いと思います。しかし、本当にそうでしょうか?

確かに常駐スタッフがいなくても経営は成り立ちます。ですが当然、店内の清掃は必須です。お客様は衣類を洗濯をしに来店します。衣類を清潔にするために来店し、明らかに清掃していない店内や機械をみて「もう一度来たい」と思うでしょうか。掃除は毎日することが重要です。毎日掃除する姿をお客様に見てもらうことで、お店の清潔さや安心を伝えることができるのです。

清掃の内容としては、各機器のフィルター掃除はもちろん、店内の床やゴミ回収、窓拭きやお店の回りなどの掃除を行います。お店の規模にもよりますが、最低でも1~2時間はかかると思ってください。お客様がご利用中は機器の清掃はできませんし、お客様の対応に追われることもあります。毎回ではありませんが、ポケットにティッシュやマジックを入れたまま洗濯を行ってしまい、機器内や店内の床にティッシュのカスやマジックのインクが付着し、その清掃だけで30分…ということもあります。上記のような清掃を毎日行うのです。

さらに定期的な仕事としては集金と両替機への小銭の補充、忘れ物や問い合わせ、クレームの対応もあります。問い合わせやクレームに関しては、弊社では有料の電話代行サービスを行っております。忙しいオーナー様に代わって電話を受けることはできますが、店舗での返金や店舗で何かトラブルがあった際はオーナー様へ対応をお願いしております。オーナー様が動けない場合は、代わりの人を雇っていただく必要があります。

いくらコインランドリーは無人といっても、商売というものは人と人です。いざというときは対面で対応することが安心感と信頼感につながるのです。一度得た安心感や信頼感は、時間をかけてオーナー様が築いてきたものであり、近くに競合店が出来たとしてもそう簡単に崩せるものではありません。コインランドリー経営が「手間なく楽に収入を得られる」という考えは間違いです。売上が良い店舗は必ずこれらを実行していますし、実行していない店舗は近隣に競合店が現れた時に必ず多大な影響を受けるでしょう。

コインランドリーの出店におすすめの土地って?

コインランドリーの経営でもっとも重要なことは立地です。どんなに素敵で最新設備が完備されたお店でも、立地が悪ければ集客できません。では、どんな場所がコインランドリーとして良い場所なのでしょうか?以下の5つのチェックポイントを詳しく解説していきます。

 ☑ 近隣競合店の数や規模、築年数について知る
 ☑ 近隣の商業施設があるか
 ☑ 商圏内の人口、世帯数や住宅種別から来客層を考える
 ☑ 前面道路の交通量や道路の規模で来店のしやすさを考える
 ☑ 駐車場が何台確保できるか

☑ 近隣競合店の数や規模、築年数について知る
まず第一に近隣に競合店がないか、競合店がある場合はその競合店の規模や数、いつから営業しているかなど知ってください。「競合店があるから出店できない」というわけではありません。競合店がない土地があれば理想ですが、コインランドリーブームによりほぼそんな土地はないと思ってください。例えば、競合店とは大きな幹線道路を挟んでいるのであれば商圏が異なりますし、20年前から営業している競合店であれば最新機器を導入して差別化することができます。競合店に打ち勝つためには、競合店を知ることが必要です。

☑ 近隣の商業施設があるか
絶対に商業施設の近くに出店しなければならないというわけではありませんが、コインランドリーは生活密着型のビジネスなので、同じく生活密着型の商業施設との相性が抜群です。スーパーやドラッグストアなどが近隣にあれば、洗濯や乾燥の待ち時間を有効活用することができますので、ぜひ周辺施設をチェックしてみてください。

☑ 商圏内の人口、世帯数や住宅種別から来客層を考える
人口が少ない場所に出店しても売上の増加は見込めません。出店予定地周辺にはどのくらい人が住んでいるのか、住んでいる人の年齢層などを知っていると集客ターゲットを決めることができます。近くに大学や工場があれば学生寮や企業の単身者寮に住んでいる人、小中学校があればお子様の衣類などを洗濯に来る主婦の方が多くいらっしゃるはずです。ターゲットが決まった後は、そのお客様たちにとって利便性の高いお店にすればよいのです。単身者向けなら洗濯物の量が少ないので小さめの機械を多く入れたり、大家族向けに容量の大きい機械を入れたり…。近隣の競合店がどんな機械を何台導入しているかを参考にしてもよいかと思います。

☑ 前面道路の交通量や道路の規模で来店のしやすさを考える
コインランドリーでは「入りやすさ」というのも重要だと考えています。弊社ではいくら視認性が良くて目立つ場所だったとしても、前面道路が4車線だったり中央分離帯があるような場所はおすすめしておりません。お洗濯は生活の一部なので「パッと来れてパッと帰りやすい」場所がオススメです。

☑ 駐車場が何台確保できるか
北関東は車社会のため、ご来店されるお客様はほぼ車でお越しになります。雨の日は特に駐車場が混雑しますので、最低でも7~10台は確保できる土地が必要になります。もし駐車場が2~3台しかなく来店時に駐車場が埋まっていた場合、そのお客様は間違いなく近隣の競合店へ向かいます。せっかくのチャンスを失ってしまうので、駐車場が何台確保できるかも土地を選ぶ際の基準になります。

コインランドリー経営に興味があり現在土地を探しているという方は、これらの5つをご参考ください。他にも土地には「用途地域」という種別があり、種別によってはコインランドリーの出店が出来ないこともあります。「いま検討しているこの土地はコインランドリーとして向いているのだろうか?」とお悩みの方もいらっしゃると思いますので、そのときはぜひ弊社にご相談ください。私たちが、プロの目線からお調べさせていただきます。

おしゃれなコインランドリーを経営したい

近年、おしゃれなコインランドリーが多数出店されています。
もはやコインランドリーは洗濯や乾燥を行うだけの施設ではなく、空間や雰囲気をも提供する施設になりつつあります。外装や内装にこだわったお店は、オーナー様の「自分のお店」という意識を高め、より清掃や接客に対して意欲的に考えられるようになります。
しかし、ここで注意して頂きたいことが「お金をかけすぎない、こだわりすぎない」ということです。お金を稼ぐのは機械ですが、設置台数の理由からどんなに稼働率が良かったとしても1日の売上には上限があります。まして天気に影響される商売ですから、売上が良い月も悪い月もあります。店舗の認知が進み売上が安定するまで約1~2年は要します。それまでは毎月赤字というお店もあります。

では、月々の支払の負担を軽くするためには、どうすればよいのでしょうか?投資金額を抑えるためにお金を稼ぐ機械の予算(設置台数)を削っては本末転倒ですし、水道代やガス代は機械の稼働状況によって変動するのでそこまで心配ありません。月々支払う家賃や地代、建物の金額を抑えるようにしてください。良い立地や良い建物を建てようとすれば家賃や地代、建築費用が高くなり月々の支払負担が増え、なんのためにコインランドリー経営をはじめたのかわからなくなってしまいます。看板などは寸法で値段が決まりますので寸法内でデザインにこだわったり、予算内の壁紙にこだわったり、照明をLEDにするなど、上手に節約してお金をかけ過ぎない努力が必要です。

どこにお金をかけるべきなのか見極めつつ、無理のない初期投資額で個性が生きた店舗づくりを目指しましょう。


いかがでしたでしょうか?
テレビに取り上げられることが多くなったコインランドリービジネス。なんのビジネスでもそうですが簡単に稼げることはありません。オーナー様自身が経営について学び、実際に店舗に立って対応することが、10年20年先も愛されるランドリーになる秘訣なのです。