“地元・栃木に誇れる酒造り”を支えるのは、
衛生と効率の要「業務用洗濯乾燥機」だった。
株式会社井上清吉商店(下野地酒「澤姫」)
代表取締役社長 井上裕史さんインタビュー
2022年、ララ・ドリームの業務用洗濯乾燥機を導入していただいたのは、地元栃木にこだわった酒造りで数々の賞を受賞する「澤姫」醸造元・株式会社井上清吉商店の井上裕史社長。日本酒づくりと業務用洗濯乾燥機の関係とは?衛生、効率、働き方改革まで、導入の舞台裏を語っていただきました。
■地元の風土とともに造る酒、それが「澤姫」
「栃木の米と酵母から醸したふるさとの味を、地元はもちろん世界中の人に飲んでもらいたい」
そう語るのは、5代目蔵元である井上裕史さん。
井上清吉商店は、栃木県宇都宮市で150年以上続く酒蔵。地元に根ざした酒造りを行っており、県産米や酵母にこだわった「澤姫」ブランドは、酒造りのすべてに“栃木らしさ”を込めています。
「お米はすべて栃木県産、酵母もほぼ栃木。醸す蔵人も地元・下野杜氏たち。まさに“純・栃木県産地酒”として誇りを持って造っています。」
近年は、世界最大の国際酒類鑑評会・英国IWCで2度の日本酒部門最高賞「チャンピオン・サケ」を受賞するなど、国内外の酒類コンクールでも高い評価を得ており、澤姫が求める「地域性がある個性的な味でありながら、後味が軽く料理と共に飲み続けられる酒質」が評価されている実感があるといいます。
■ 昔ながらのやり方に限界…そこで選ばれた「業務用洗濯乾燥機」
「実は以前から、洗濯の方法にはかなりこだわっていたんです」と井上社長。
酒造りでは、麹づくりの布、蒸米に使う布、作業用の白衣など、さまざまな布類を日々使用し、清潔に保つ必要があります。これまで、古い二層式洗濯機や中古の家庭用洗濯機をオーバーホールして使い分けていましたが、乾燥だけはどうしても課題が残っていました。
「冬の農閑期には蔵の裏手の田んぼに竹竿と縄で組んだ干場を作り、そこで天日干しをしていましたが、天候に左右されるし、春になるとどうしても花粉や黄砂・土埃がついてしまう。加えてコロナ禍も重なったことから、蔵内外での自然乾燥には衛生面で大きなリスクを感じていました。」
そんな中で注目したのが、AQUA製の業務用洗濯乾燥機。
「70~80度の高温乾燥で“火落ち菌”※を殺菌できるという点が決め手でした。これは酒を酸敗させたり濁らせたり、香味を著しく劣化させる菌で、昔はこれで蔵が潰れることもあったくらい。乾燥工程で雑菌対策ができるのは大きな意義があります。」
※「腐造性乳酸菌」という乳酸菌の一種
■ 衛生面だけでなく、「働き方改革」にも貢献
導入の背景には、酒造りの働き方そのものの変化もありました。
「昔は出稼ぎ杜氏による集中型の造りでしたが、今は社員全員で酒を仕込む時代。だからこそ、年間雇用の社員がきちんと休める体制が必要です。」
業務用洗濯乾燥機の導入で洗い~乾燥の工程が自動化されたことで、省力化と作業効率が大幅に向上。
「“人を減らす”ためではなく、“人が有効に動くための道具”です。これがあることで、週休制の導入や、仕込み期間の分散といった改革が実現しました。」
■ 選定の理由は“信頼”と“対応力”
ララ・ドリームを選んだきっかけは、地元銀行の紹介による営業担当・見目との出会い。
「AQUA製品の信頼性に加えて、導入に際して用途や布の量まで丁寧にヒアリングしてくれた。非常に細やかで良い対応でした。導入後も定期的にメンテナンスや使い方の相談に乗ってくれる。その寄り添い方が心地よかったですね。」
単なる機械の導入ではなく、パートナーとして信頼できる存在だったことが、最終的な決め手になったそうです。
また、県内の同業者である、銘酒「旭興」を醸す渡邉酒造(大田原市)での導入事例も背中を押しました。
■ 想定以上の稼働率! “人”が効率よく働ける蔵へ。働き方も酒の味も変わった
「半年点検の時に“3倍使ってますね”って言われたくらい(笑)。今では、ほぼフル稼働で使ってます。」
業務用洗濯乾燥機を導入してからは、洗濯・乾燥の作業が格段に効率化されました。
「これまで洗濯から乾燥まで6時間以上かかっていた作業が、今では1時間30分ほどで終わるように。スタッフの負担が減り、別の仕事に時間を使えるようになりました。」
そしてこの設備が、酒の味にも良い影響をもたらしたと井上社長は感じています。
「洗浄不足・乾燥不良による雑菌リスクが減ったことで、微妙な味の劣化が起きにくくなり、澤姫の個性である“後味の軽さ”がより際立つようになった。酒の品質にも良い影響が出ている。」
人が働きやすくなることで、結果的に酒の味まで変わっていく――。 まさに「人が活きる蔵」への一歩となりました。
■ おわりに
「省力化・衛生化・働き方改革」。これらすべてに貢献している業務用洗濯乾燥機は、現代の酒蔵にとって欠かせない存在になっています。
「最初は正直、設備投資に迷いもありました。でも、導入してみて本当に良かった。スタッフの働き方が変わり、品質の向上にもつながる。酒蔵のこれからを考えると、こういう設備こそ必要なんじゃないかと思います。」
「栃木の、地元の共同作業で出来上がった『澤姫』を『栃木の味』っていう形で皆様に味わっていただいたらすごく嬉しいです。世界に誇れるものを作ります。」
そんな力強い言葉で、今回のインタビューを締めくくりました。
企業プロフィール
商号・会社名
株式会社 井上清吉商店
(英語表記: Inoue Seikichi Co.,Ltd.)
創業年
明治元年(1868年)
主要業務
清酒の製造、および販売
主要銘柄
澤姫(さわひめ、SAWAHIME)
資本金
1000万円
代表者役職・氏名
五代目蔵元・代表取締役 井上 裕史
(Owner and Brewer : Hiroshi Inoue)
杜氏氏名
下野杜氏・南部杜氏 / 一級酒造技能士 佐藤 全
(Master Brewer : Tamotsu Sato)
所在地
〒329-1102 栃木県宇都宮市白沢町1901-1
(1901-1, Shirasawa-cho, Utsunomiya-city,
Tochigi, 329-1102, Japan)
電話番号
028-673-2350
FAX番号
028-673-2158
URL
導入をご検討の方はもちろん、すでにお使いの方も、点検や修理対応を含めて、私たちララ・ドリームにぜひお気軽にご相談ください。
(↓今回、インタビューと合わせて定期保守点検も実施しておりました!↓)